ポスト・ケインズ派経済学

 ポスト・ケインズ派経済学(Post-Keynesian Economics)は、英国ケムブリッジ学派が提唱した「福祉の経済学」の伝統を継承し発展させてきた経済学です。経済思想史的には、A.マーシャルの生物学的経済学、J.M.ケインズの『貨幣論』や『一般理論』を始めとする雇用の貨幣的生産理論を基礎に、「一般理論」の同時発見者であるM.カレツキの「市場と計画の経済システム」やP.スラッファの「生産の理論」、そして米国制度学派の創設者であるT.ベブレンの「制度の進化に関する経済学的研究」を融合する経済学の総称です。

 緒方研究室の経済理論的背景は、川口弘教授の『ケインズ経済学研究』や『金融論』によるマクロ経済学およびマクロ経済学のミクロ的基礎の研究から始まりました。さらに英国と米国の留学を機会に、その理論的・思想的視野を広げてきました。その成果は、主著『近代経済学の底流:マーシャル・ケインズ・カレツキ』(中央大学生協出版局、1995年)にまとめられています。

 英国ケムブリッジ大学では、J.ロビンソン教授やN.カルドア教授に師事し、ケインズ「一般理論の一般化」を進めてきました。また米国ニュージャージー州立ラトガース大学では、P.デヴィッドソン教授、A.アイクナー教授、J.クレーゲル教授らが組織したポスト・ケインズ派経済学研究組織(注1)に所属し、Journal of Post Keynesian Economics という経済学雑誌の編集員を勤めています。(注2) また、日本でも、「ポスト・ケインズ派経済学研究会」を組織し、日本経済評論社より一連のポスト・ケインジアン叢書を刊行しております。(注3)

(注1)詳しくは、緒方俊雄「アメリカにおけるポスト・ケインズ派経済学研究の動向」『経済研究所年報』1981年第12号を参照してください。
(注2)詳しくは、http://www.mesharpe.com/results1.asp?ACR=pkeを参照してください。
(注2)詳しくは、http://www.nikkeihyo.co.jp/sirizu/pk.htmlを参照してください。

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